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 5年前からから12月第2日曜日になった高校野球
研究会。今年で第27回目の節目の年を迎えた。
 一昨年から会場も日比谷高校から青山高校に移った。
神宮球場のすぐ隣だ。
 今年の講師は、沖縄県立嘉手納高校監督の眞玉橋元博
(まだんばし もとひろ)先生。奥様も栄養学で有名だ。
 研究会の幹事でもあった長嶺先生のご紹介。いわば有
無を言わせずお願いした感じだ。沖縄県の野球の強さを
知ることあ出来るだろうか。
 この研究会もメンバーが増えすぎて150名を超える人が
集まった。毎年行われてきた自己紹介も今年も省略される
こととなった。
 
きたさん紀行
 今回のテーマは、沖縄の高校野球〜公立高校を
率いて〜。どんな話が聞けるだろう。
 レジュメに沿ってお話しされた。日大三高との親交
もあり、先日練習を見学されたそうだ。
 お話の中で最初にびっくりしたのは、沖縄県の高校
63校のうち私立高校が3校しかないということだった。
興南、沖縄尚学そして昭和薬科大学付属の3校。そ
の他はすべて県立高校ということになる。
 その県立でも寮をもつ沖縄水産のグループ。寮は
ないものの常に甲子園を狙う高校。選手を集めてい
る。中部商業などのグループ。そして、眞玉橋先生
率いる嘉手納高校などの普通の高校グループに分
かれる。
 嘉手納高校は、基地の隣で飛行機の発着のたびに
授業や話が中断されるような環境にある。
 
 次に公立高校を率いてというテーマへ。
  眞玉橋先生の指導の考え方についての話だ。

 1 普通の高校を強くしたい。
    先生ご自身もコザ高校という普通高校出身なので普通の高校から
   甲子園にという考えがある。しかし、選手を集めないということは、もしも
   集めて結果が出なかったときのリスクを背負う気がないとも言える。
    嘉手納高校の前の北中城高校から異動してきたとき、嘉手納高校 
   には、男女バスケの全国優勝監督がいたそうだ。その先生に「どう
   すればチームを強くすることができるか?」と尋ねたところ「いい選手を
   集めることだ。」と言われガクッとなったが確かにそうだとも思ったそう
   だ。また、その先生から「野球の指導をする気がしれない。」とも言われ
   た。どういうことかと思ったが、バスケットボールには番狂わせはない。
   強いチームが必ず勝つ。野球は強いチームが勝つとは限らない。しかし、
   弱小チームにも夢が持てるとも言える。
    そんな中、宜野座高校が21世紀枠で甲子園出場そしてベスト4進出。
   その夏には自力で勝ちぬき夏も出場した。そのことに勇気をもらい、
   指導に取り組んだそうだ。また、生活指導主任でいることが多く、それを
   また言い訳にしていることに気づいた。たまたま近隣の中学が全国大会
   に出場し活躍したことからその中の選手に声をかけ、その後、選抜出場
   を果たすことになる。

 2 ないものねだりをしない。
    やはり、バスケットの先生が「一人で何でもしようとするな。」と言われた
   そうだが、眞玉橋先生も勉強して栄養学やメンタルトレーニングなど生徒
   に指導したそうだが、どうも生徒が乗ってこない。その言葉で栄養の専門
   家に来ていただいたり、メンタルトレーニングの高妻先生にお願いしたり
   したそうだ。専門家の力を借りることも大切だと感じたそうだ。
    そして、ないものねだりをしないこと。強豪校の選手と比べると力も技術
   も違う。指導の仕方は基本的には悪いところを是正することから始めるが 
  同じことをしても勝てないのだから、特徴を生かして指導していく。たとえ
   ば、小さな左投手にアンダースローにして思い切りクロスで投げさせたり、
   取ってからの速さだけはとてつもなく速い選手にその特徴を生かせるよう
   に指導していく。
     (フロントフット)
       力のない選手が遠くに飛ばしたり強い打球を打とうとすれば、打つ
      瞬間に前足にすべての体重が乗るように打つしかない。打点を後ろ
      にするのが流行りだが、力のない選手にはこれしかない。
     (高重心投法)
       これも先生の持論だが、股関節を意識して高い重心のまま高速回
      転させることで強い球を投げることができる。イメージとしてはソフト
      バンクの和田投手の感じだと思う。今回はこの説明は省略でベース
      ボールクリニックの記事を読んでくださいということだった。 
      
     
 司会は、一昨年から若手のTさんになった。 ここでも世代交代だ。
若手の指導者が本当に増えてきた。
 前日マスターズ甲子園東京大会の
決勝戦で対戦している。不思議な感じだ。
 
 講演の後はいつものように質疑応答。東京都以外の先生の質問
があった。日大三高の練習のヒミツの話は、沖縄に持って帰るそうだ。
沖縄の野球についての質問はいつもの岩手の中学校の先生からだっ
た。
 そのあと、小山台高校のH先生から、エレベーター事故の後日談。赤とんぼの奇跡第2段やいまだに補償の問題は進んでいないことな
どやはりびっくりするし悲しいお話だ。
  また、大阪のH先生からは、たくさんの話題満載のレジュメの紹介。我喜屋監督の話や幻のバイブルの話などが紹介されていた。 
  懇親会では、眞玉橋先生に直接フロントフットの私の解釈をぶつけ
てみた。同じ感覚だと確認できてうれしかった。
 今回もなかなか興味深いお話が聞けてうれしかった。来年もよろしく
お願いいたします。   
 そして、沖縄県の野球の特徴についてのお話に移って行った。
 その特徴をまとめると
 @ 練習試合はどことでも行う。
   強豪校だろうが弱小チームだろうが、がちんこ勝負。選手を隠すと
  かしない。強豪校もお高くとまっていないで、若手中堅の指導者を
  育てていく考えを持っている。
 A 指導者同士のコミュニケーション
   審判は指導者が行うことが多く、指導者講習などでも交流が盛ん。
  飲みニケーションも盛ん。
 B 総会、競技会、地区大会、指導者講習会、審判講習会等
   Aと重なるが、交流が盛ん。競技会というのは6月に野球ではなく、
  マラソンとか遠投とか、100m走やリレーなど身体の強さの競技会を
  全県で行うそうだ。自分たちのチームが県内でどのくらいかがずばり
  わかるそうだ。
 C 県外との交流が増えた。
   県外から沖縄へは3月、11月が多い。逆に沖縄から県外は5月、
  8月が多いそうだ。

 
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