2004年04月のひとこと

「こんど」と「つぎ」
 わかりづらい言葉の違いで「こんど」と「つぎ」というのがあります。JRなどで次に来る電車は「こんど」、その次に来る電車は「つぎ」といって区別します。しかし、よく考えてみるとこの違いは微妙です。実は「つぎ」という言葉は、対象がはっきりしているのですが「こんど」という言葉は意外にはっきりせず時間的にも幅のある言葉だそうです。

 芸能人が「こんど飲みに行きましょうよ!」といったら、ほとんどその気はないということ。完全な外交辞令ですね。「つぎは!」などといった方が実現性があるらしいのです。

 JR以外の私鉄でも、電車の来る順番の表現には苦労しているようです。もともと「こんど」と「つぎ」という言い方は営団地下鉄(現在の東京メトロ)の始発駅でホームにすでに入線している車両のことを「こんど」発車する電車という意味で「こんど」といい、空いているホームにくる電車を「つぎ」と呼んだことが始まりのようです。

 「こんど」と「つぎ」の混乱があり、ついにJRでは「こんど」の電車は「先発」、「つぎ」の電車は「後発」と呼ぶようにしています。普段使う言葉ではありませんが、順番はわかりやすくなっていますね。

 私鉄では、「こんど」は「先発」ですが「つぎ」は「次発」、つぎのつぎは「次々発」としているようです。変な言い方ですね。

 東京では、始発駅で間違った電車に乗ってもそれほどとんでもないところへは行かないものです。しかし、以前名古屋に行ったとき感じたのは同じホームなのに、全く違うところへ行く可能性があるということです。名鉄の駅での緊張感は初めて訪れたものには大変なものだったことを思い出します。いろいろな表示にも優しさが大切な気がします。

 たかが、「こんど」と「つぎ」されど「こんど」と「つぎ」ですね。
(2004.04.19)

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