2004年01月のひとこと

理科教育振興法50周年に思う
 先日理科教育振興法50周年の記念会に参加しました。皇太子殿下までがお見えになるということでいかに大切な法律かがわかります。年末に惜しくも亡くなられた坂田道太元文部大臣が深く制定にかかわり議員立法で成立させた法律だそうです。普通議員立法で出来た法律は10年が限度。それが50年続いたと言うことすごいことなのですね。

 50年前と言えば1950年代、戦後の復興と先進諸国へ追いつき追い越せという国家的な取組でもあったのかもしれません。資源にない日本が外国と対抗していくためには、科学技術しかないと考えたのでしょう。勤勉な国民性と合致しあれよあれよと先進諸国に追いついていった右肩上がりの夢のある時代。プロジェクトX世代でもあります。人々には夢があり勉強して頑張ればお金も家も何でも手にはいるかもしれないと言う希望のあった時代。普通の教育予算とは別枠で理科や技術教育を推進する予算がとられていたのです。本当にすごいことです。

 懇親会で有馬朗人元文部大臣がおっしゃっていましたたが、最も数学や理科を勉強させられた今の40代から50代の人たちが一番数学や理科の成績が悪いそうです。詰め込み教育の産物かもしれません。

 詰め込み教育の弊害が話題になったら今度はそれに逆行してゆとり教育を目指しました。極端すぎるのです。人間は好きなことなら自ら進んで勉強するんだという考え方。何から何までゆるめてしまいました。すると勉強したくない子は全く勉強しなくなりました。高校生の40%が全く自宅学習をしないというのです。その一方難関校は難しいままです。ゆとりの出た土曜日には塾通い。勉強するものとしないものの差がますます激しくなってきたのです。色々問題は多かった詰め込み教育は考えてみれば日本全体の教育レベルを上げ、均一的な生徒たちを作り上げることは出来ていたのです。教育は半分しつけのようなものでやらせるものです。やらなくてはいけない時期に無理矢理でもやらせないで大人になってからでは遅すぎるのです。

 戦前の教育がすべて間違っていたといってすべてを否定したため、日本人的な勤勉さや道徳的なことがないがしろにされ、個人主義といえばかっこいいですが自分勝手な人たちを作り上げ、雪印などのここ数年の不祥事。会社が儲かればいい。人々の安全は関係ないというような風潮が出てきてしまいました。モラルの「モ」の字もない大人たちが作り上げられました。その大人をみて育つ子どもたちが多くなってきているという行き場のない不安感があります。

 極端に振れることなく、無理矢理詰め込む時期には詰め込むことも大事だし、ゆとりを持つことも大切。昔の日本のいい部分は残して新しいものを作り上げていく姿勢が必要な気がします。

 記念講演会で、ノーベル賞の白川英樹先生がお話しされていました。子どもの頃の何に対しても興味を持つ「童心」を失わせない教育。子どもを教えることで、教育者も育つ。そんな教育が次世代をになう子どもたちを育てる教育ではないかと。

 教育には完全な答えはないと思います。子ども一人一人に違う答えがあるはずです。その答えを出すのはあくまで子ども自身。教育者はその成長のお手伝いをするのが仕事だと思います。難しいことですが少しでもいい教育を子どもたちに与えることが出来るように、これからも精進していきたいと思います。

 

(2004.01.30)

お正月に思うこと2004
 昨年、新年に思うことということで「ひとこと」に書きましたが、今年も新年に思うことを書いてみます。

 年末は今も変わらず忙しい。やはり日本人は、身の回りをきれいにして新年を迎えたいと思っているようです。別に変わらない日々が続いていくのにやはり、儀式とか季節の流れを意識することは大切です。自然の中で生かされているという意識が必要だと思います。人々のどこかにそんな気持ちがあるのでしょう。

 今年は紅白歌合戦の裏番組が、すべて格闘技という不思議な感じでしたが視聴率はどうだったのでしょうか?私は格闘技に興味があまりないのでちゃんと見ていませんが、曙対ボブ・サップは見てしまいました。3年のブランクのあと格闘技に挑戦した曙の挑戦はそれなりに感動的でしたが、勝負はあっけなく終わり、これだけひっぱいておいてという気は少ししました。今年の紅白は司会者がすべてアナウンサー。白組の圧勝で幕がおりました。アナウンサーとして相当に大きなイベントですね。歌手にとっても大きなイベント。やはり紅白に出場することは1つの夢なのだろうなと思います。

 行く年くる年をみないで初詣に行き、近くのお寺で鐘も打ってきました。今年の家内安全、所願達成を祈ってうちました。そして、初日の出を見に行きました。ランニングをかねて近くの橋まで行きました。たくさんの人がいてびっくり。久しぶりの初日の出は心を洗われるような気がしました。

 昨年の新年に思うことで、元旦からスーパーが初売りをしているのが当たり前になってしまったと書きました。昔は、どの店もやっていないで来る苦労したことも書きました。今の高校生は知らないだろうと思います。コンビニが登場して以来、禁断の木の実を食べたら最後、この状況になるのは目に見えていました。

 一昨年、大晦日に車を大破され4日までディーラーがやっていないのでおめでたいお正月に大破した車が家の顔になってしまいかっこわるかったことがあります。お正月にお店が開いていないのは困ることもありますがあの静かな雰囲気ももう一度体験したい気もあります。今年は、子供が熱を出し病院に行かなくてはなくなりました。病院に行くとびっくりするぐらい多くの子供たちが来ていました。考えてみれば子供の病気にお正月はありませんね。

 今年自分の中で、この元旦からお店が開いている状況を想定した行動をしてしまったことに気がつきました。年始回りをするときにどこか店が開いているだろうという前提で車を運転していたらなかなかお店がありません。自分の考え方が今風になってしまっていることに気づき少しショックを受けました。

 年賀状の意義などもいろいろといわれていますが、パソコンの普及で今年は年賀状の売れ行きもアップし、頂く年賀状もパソコンで作ったものが大半になってきていてびっくりします。伝統的なもの対抗するように思われていたパソコンが伝統行事を逆に盛り上げているのが面白いですね。そういえば携帯やパソコンの普及で以前より漢字を使う人が増えたと聞きます。漢字を書けるかは別として面白いなあと思います。

 今年は、占いでいえば五黄中宮の年。何か新しいことが始まったり大変換の年になるといわれています。9年前の五黄中宮の年は忘れもしない阪神大震災、地下鉄サリン事件、八王子スーパー殺人事件など悲惨な事件があった年です。昨年末から自衛隊のイラク派遣などきな臭い雰囲気が出てきました。教育現場でもいろいろな強制が行われ始めいやな感じがありますがどんな年になるか、いい年であるように祈りたいです。

 そんな今年、どんな心がけをすればいいかというと「家族」を大切にすることだそうです。自分の家族や祖先を大切にする、親が子供に見本を見せられるようにする。そんな当たり前のことの積み重ねが大切だそうです。毎日の生活の流されがちですが、一番の基本である家族の大切さを実感しながら生活していきたいと思います。

 2004年がよい年でありますように!

(2004.01.04)

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